#45.また福岡、コロガルイシ(後編)

カモネギ(涙)

まるでしらふの様な口調、真剣な表情をして白鳥はカモを見つめた。

白鳥『なぜ みのりが今のXX不動産で働いていると思う?』

カモ『え…給料が良いから…ですか?物件売ったら歩合でもらえそうですし…。』

そう言えば、自分が購入した物件について、みのりさんに歩合でいくら入っているのだろうか、ふと気になった。

白鳥『それもあるかもしれませんが…、あのXX不動産にね、あるんですよ。』

カモ『何がですか?』

白鳥はにやっと笑った。

白鳥『みのりの、みのりが昔両親と住んでた物件が…。』

カモ『えっ!?』

反射的に大きな声になってしまった。

白鳥は少し得意げな表情をして言った。

白鳥『破産処理の過程で今の社長(安岡力也似)が購入して、管理しているはずです。』

カモ『みのりさんはそれを知ってて、社長の所で働いているんですか?』

白鳥『そうですよ、そしていつか社長から買い戻そうと考えているはずです。』

カモ『え…まじですか…。』

自分の知らないみのりさんが、ありありと姿を現してくる。

白鳥『社長も、みのりが買うとなったら 売ると思います。実際、その物件は表には出していないようですし…。みのりが買えるようになるのを待っているのかもしれませんね…。ただ、なかなかの値段なんですよ、場所もほぼ街中ですし。』

カモ『いくらぐらいですか?』

白鳥『確か9000万円くらいでしたね。』

カモ『高っ!!』

白鳥『そこを買い戻すのがみのりさんの目標らしいですよ。』

カモ『今更買い戻してどうするんですかね…。』

白鳥『それはわかりません…事業所があった古い建物の部分は取り壊して駐車場になってますし、今は賃貸に出されてますからね。多分、あの場所を買い戻したら以前のように家族がみんな笑って過ごせるとでも思っているのか、思い出を取り戻すことが出来ると考えているのか…。』

カモ『それは悲しすぎませんか…。』

白鳥『そうですね、実際あそこをみのりが買い戻したとしても何か変わることがあるかと言われると僕にはわかりませんね、何せもう形も変わっちゃってますし、今は恐らく誰か別の人が借りていますからね…。』

白鳥は、取引や投資に関しては合理主義だった。恋愛に関しては不明だけども

タクシーの中で白鳥は言っていた、『相場はね、市場が合理性を失った時に、合理的な判断が出来ればほとんど負けないんですよ』と。みのりさんに一目惚れして非合理的思考で物件を買っていた自分の存在が痛々しくて悶えた。

カモはアサリの酒蒸しを食べようと思い、手を伸ばしたけどもすでにアサリの中身が一匹もいなかった…。

白鳥『カモ先生だったら、どうしますか?』

どんだけアサリを探しても、中身が入ったやつがいなかったので、とりあえず、アサリの酒蒸しをもう1つ注文した。

カモ『過去にしばられて生きる気持ちはよくわかります、自分もそうなので…。ただ、こうやって自分のことではなく客観的に見たら、あまり建設的ではないですよね…。』

白鳥『そうですね、お金に余裕があって買うのとは違いますし』

カモ『石油…わかないかな…』

白鳥『現実逃避しすぎでしょwwwそもそもカモ先生が買ってどうするんですか?』

カモ『どうするって…それは…』

①みのりさんより先にその物件を買収して、みのりさんを脅す。

②みのりさんより先にその物件を買収して一緒に住もうとプロポーズ

③何も知らなかったことにしてやり過ごす

カモ(良心)『フィフティー・フィフティーでお願いします』

カモ(悪魔)『もう①しかないだろ、てっとり早く①で行けばいい、一気にヤっちゃおうぜ!!』

カモ(天使)『だめよ、ここは②よ!!その夢に僕も参加したい、一緒に夢を追いかけたいって言ってプロポーズよっ!!』

カモ(現実)『でもお金(与信)ない…。』

カモ(悪魔・天使)『どう見ても③です、本当にありがとうございました。』

カモ『で…ですよねー』

白鳥は、なにやら楽しそうな顔をしてこちらを見ている。

白鳥『今度、社長(安岡力也)に聞いてみたらどうですか?今も管理していると思うので』

カモ『そうですね、一度聞いてみます。』

このお店、魚も肉も美味しい。アサリの酒蒸しも止まらなくなる…。

カモ『でも…どうしてみのりさんの情報をこんなに教えてくれるんですか?』

白鳥『それは…、みのりがカモ先生を好きになった以上、カモ先生とくっついて欲しいですからね』

カモ『え…妨害工作とかしないんですか?』

白鳥『しませんよ、みのりが自分ではなくカモ先生を選んだんですから。だったら応援するしかないでしょ。破壊工作しても嫌われるだけですしwいつか カモ先生がみのりを捨てたら、その時は愛人として拾いますね(ゲス顔』

カモ『相変わらず発想がゲスいですね…』

白鳥『それはお互い様ですよwww』

改めて日本酒を酌み交わす。

白鳥『それに…僕はカモ先生の事も好きですよ。カモ先生だったらみのりのことを幸せにしてくれそうですし…。カモ先生自身は不幸になるかもしれませんけどwwww』

カモ『なにそれひどいwww』

白鳥『僕にはもう相手がいます。もしカモ先生とみのりがくっつけば、それはそれでみのりを近くで見れますしねww』

カモ『すいません、発言がストーカーっぽいですよ』

白鳥『おっと、ついつい。』

そんな冗談を言いながら、白鳥は笑った。

白鳥『ただ…1つ忘れないで欲しいことがあるんです。』

急に白鳥が突然真顔になった。

白鳥『もし、みのりと付き合うことが出来た時は、僕へのでっかい借りにさせてくださいね』

白鳥、まじで目が笑っていない。

スーツ姿じゃなくても、白鳥にはある種のカリスマと威圧感があった。

カモ『え…えぇ。わかりました。』

白鳥『良かった、今後もカモ先生と一緒に仲良くしていきたいなって思ってるんですよ』

カモ(え?そんな空気じゃなかったよ、今の…)

色々心配な事があるけど、白鳥は協力してくれることになった。

まだ敵かもしれないけども

その後、白鳥と2件ほどハシゴをして夜の博多を楽しみました。

中洲には行っていません(弁明)。

とりあえず、みのりさんと話さないと…。

みのりさんの過去と向かい合わないといけない。

そして未来を変えないといけない。

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