#43. 告白と決意

魂が抜けるカモ

軽い二日酔いで迎えた朝。

頭が痛い、胃の中でぐるぐると胃酸が泳いでいるような不快感。

昨日、結局歩いて家まで帰ったせいか、両足が痛い。足の裏の皮がブヨブヨとした水泡を形成していた。

何度も湧き上がる『働きたくない』感情と戦いながら、水と五苓散を朝ご飯にして家を出た。

また、いつもの日常が始まった。

違うのは、みのりさんからのLINEがないことと、何かすっきりしたような清々しい感情と心の真ん中にぽっかりと穴が空いてしまった空虚感が混在していることだけだった。

仕事はいつものように、自分を待っていてくれた。

たくさんの患者さんと、たくさんの書類…。

カモは自分の存在価値を確かめるように仕事に没頭した。仕事しかなかった。

夜は23時頃まで仕事をして、家に帰って寝て起きて、また仕事に向かう。

メトロノームのように仕事場と家を往復する日々を繰り返した。

午前中の仕事を終え、医局で昼ご飯を食べながらふと今月のスケジュールを確認した。

スケジュール帳を見た時に、1日予定が何も入っていない日があることに気づいた。

健康診断のアルバイトを入れていたけども、ここ数日の没頭生活のおかげで前倒しで終わったので、空白の1日が出来ていた。結果として久しぶりの1日丸ごと休みになっていた。

白鳥『飲みにでも行きましょう、知りたいですよね、みのりさんのこと…。』

白鳥の笑顔

白鳥が去り際に言った言葉を思い出した。

白鳥は何かを知っている、自分が知らないみのりさんを知っている。

カモ『そうだ、福岡行こう』(京都ではなく)

あれから、みのりさんからの連絡はない。

すぐに白鳥に連絡をし、福岡に行く準備をした。

白鳥『やぁ、意外と早い連絡でしたね。しっかり稼いでますか?』

3コールで白鳥は電話に出た。久しぶりの白鳥の声に、本来ならば敵である白鳥の声に何故か不思議と心が和んだ。

カモ『えぇ、おかげさまで与信もないので、死にものぐるいで働いてますよ。』

白鳥『さすがですね、それで今日は物件のお話?それとも福岡に来るお話ですか?』

カモ『今週の日曜日、時間が空いたので土曜日の夜にそっちに行きます。会えますか?』

白鳥『わかりました、カモ先生のために予定を開けてお待ちしてますよ。』

カモ『ありがとうございます。では、土曜日の夜に。』

白鳥『了解。』

久しぶりの福岡。みのりさんがいない空虚な心が騒ぎ始める。

福岡という街がもつエネルギーのせいか、白鳥に会うことの緊張感からか、まだ見ぬみのりさんの姿を知ることが出来るかもしれないという期待のせいか、カモの心には、源泉のようにわき出すモノがあった。

『白鳥に会って、どうなる?』、『白鳥はライバルだぞ』、『わざわざお金をかけて福岡に行く意味はあるの?』、『罠じゃない?』…。様々な良くない考えが頭を過ぎる。

でも、僕は福岡に行くことに決めた。

災厄が詰まったパンドラの箱でさえも、最後に希望が残っていたんだから…。

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コメント

  1. 煌めけ より:

    フル休みの日がほぼないってことに一番驚いたのですが、みのりさんと連絡つかない状態で気力体力の充填はどうなさっているのかーーーッ?!いくら若さとド根性が底抜けとはいえΣ(`Д´ )

    間接的とはいえ、謎が解けるといいな&お体お気を付けつつも更新気長にお待ちしてますー

    • 管理人(カモ) より:

      ありがとうございます。本当は週休2日なのですが、お金のためにアルバイトを複数しているので結果的に休みがなくなってしまっています(´;ω;`)ブワッ
      仕事をしていると、プライベートを忘れることが出来て落ち着くので、精神的には楽でした、身体はボロボロですけども・・・
      引き続き、急いで続きを書きます (`・ω・́)ゝ