#30. 物件No.5 狭小駐車場(その4)

電話するカモ

土曜日の午前11時頃、当直室で書類の仕事をしている最中に電話がなりました。

カモ(みのりさんからだ。詳しい話は月曜日って言ってたけど、前祝いかなww)

電話に出ると、その おめでたい発想は一瞬で消えることとなった。

みのり『ごめんなさい、ちょっと大変なことになってしまってます。』

今にも泣き出しそうな声でした。

カモ 『何かあったんですか?』

こんな悲しそうな声を聞くのは初めてだったので、カモ自身かなり動揺していた。

みのり『あの駐車場なんですけど、あの後も電話が鳴り続いていたらしくて。それで、その電話をかけてきた人の中で、700万円より高い値段で買うって人が出てきたんです。』

カモ 『えっ!?』

みのり『それで、弁護士さん曰く、高い値段を出してくれた人に買ってもらうべきだ!!ってなってしまって…。』

カモ 『でも、売り主の希望価格で購入したわけですよね? そんなオークションみたいなことってあるんですか? 普通に1番手の人に交渉の優先権があるんですよね?』

みのり『普通はそうだと思います。』

 不動産仲介の世界では、物件の購入を一番早く表明した人(1番手)が、優先的に交渉できて、購入できると思っていました。今回は売り主の言い値で購入するので交渉もなし、つまり即購入出来ると、この時は思っていました。

カモ 『後から来た人が「1番手の人より高い金額で買いまーす」って言って、売り主も「オッケー牧場っ!!」ってなるってことですかwww』

みのり『普通はそういうことはないのですが…。実際、破産者である売り主は、かもねぎ先生の価格で了承してくれています。ただ管財人の弁護士さんが反対しているんです…。』

カモ 『でも売り出す時に管財人である弁護士さんも、一緒に値段を決めているんですよね?』

みのり『そのはずです。勝手に売り主だけで値段をつけることはありませんし…。』

カモ 『じゃあ、今になって弁護士さんが「やべぇええw安く出し過ぎてたかもwww」ってなってるってことですかね…。』

みのり『そうなんですかね…こんなこと今までなかったので、私も混乱してしまって。』

やばい、みのりさんの声がどんどん暗く悲しくなっていく…。

カモ 『こんなの初めてっ!!って感じですね!!(渾身の下ネタ)』

ち〜ん・・・。(沈黙)

みのり『もう…どうしたらいいんでしょうか…。』

カモ(やばい…全然下ネタが通る状況ではなかった…。)

すっごく重い空気が流れた。

10秒前の自分を、気を失うまで鈍器で殴っておいて欲しかった。

みのりさんは今にも消えそうな声だし、もう自分もどう声をかけたら良いのかわからない。

カモ 『とりあえず、800万円融資下りそうなので、ギリギリまで戦ってみますかw』

カモ心の声(ちょ…何言っちゃってんのっ!?自分っ!?)

みのり『良いんですか?かもねぎ先生、利益が減っちゃいますよ…。

カモ 『利益が減るのはショックです…でもみのりさんが幸せならOKです!!

いいね!!

みのり『かもねぎ先生、優しいですね。本当、ごめんなさい。』

カモ 『みのりさんが謝ることないですからwww とりあえずその弁護士に800万円で提示してください。』

カモ、みのりさんが悲しむ声を聞き、お金の計算(借金の返済プラン)がバグってしまう…。

みのり『わかりました!!早速掛け合ってみますねっ!!』

カモ(これで…これで良かったのだろうか…。)

【その5に続きます】

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