#22.いつからそれがデートだと錯覚していた?

カモネギ(涙)

 先週の土曜日の午後、みのりさんとお茶を兼ねて、お昼を一緒に食べる約束をしました。今回はその時のお話。


みのりさんが住んでいるアパートの近くにある(と思われる)コンビニにお迎えに行きました。コンビニにいる高校生らしき若者や華やかな女子大生が買い物をする姿を見ながら待っていると、少し離れた所から駆け足で来るみのりさんの姿が見えました。

 ピンクの花弁が桜のようにあしらわれた白いワンピースに、白いカーディガン。今年、異動でバタバタしていたこともあり、花見をすることが出来なかったカモにとって花見にしてはお釣りが来るほど鮮やかでした。

『お待たせしちゃいました?(*´∀`*)』

走ってきたせいか、頬は少し紅潮し桜色に染まっていた。

桜色の頬に桜のワンピース。春爛漫な景色がカモの前に広がった。

桜ワンピース

願はくは 花の下にて春死なむ その如月の望月のころ 

淡く映える桜の色彩に埋もれてこのまま死にたいと思った。

(※カモの与信は春が来る前に死んでいます)

カモ『じゃあ、行きましょうか』

みのり『はーい^^御願いします。』

車を運転しながら、チラチラとみのりさんを横目で観察(視姦)する。

今日は小さなショルダーバッグを持ってきていた。

『このバッグには書類は入らないから、物件の勧誘はない!!』

そう確信したカモは、胸をなで下ろしてカフェに向かった。

車の中、移動する密室。

自分が呼吸した空気をみのりさんも吸っていると考えると興奮した(危険な発想)。

みのりさんから、ほのかにバラのような甘い香りがした。

この香りに浸っていたいと思い、後で車用ファブリーズをポイしようと思った。

カモ 『今日も服装が可愛い感じですね』

みのり『ありがとうございます(*´∀`*)春らしいやつにしてみました。』

カモ 『もうすっかり春ですもんね。』

みのり『ですです∀`*)。カモ先生、忙しくて花見とか行けてないんじゃないですか?』

カモ 『そうですね、今年は桜をほとんど見れませんでした。』

みのり『そう思って、今日は桜っぽい服を着てきたのだ!!』

むっはあああああヽ(*゜∀゜)ノ

可愛すぎて今ので物件2件くらい買っちゃいますよ!!(錯乱)

そんな会話をしながら、先日、白鳥と行った街中のカフェではなく今回は少し街外れの、一面に田園風景が広がる古民家カフェに行きました。

みのり『ここすごくのどかですねw』

カモ 『そうなんですよ、この時期が一番穏やかで好きなんです。』

せっかくだからと、みのりさんはお店のバルコニーにある席にしようと提案し、二人向かい合うように座った。PINK HOUSEで売られているような、幾分 着る人を選びそうな制服を着たウェイトレスがメニューを持ってくる。

二人ともランチセットを注文し、何気ない会話を続けた。

一面に広がる田んぼは、すでに田植えが始まり、豊かな水が蓄えられ、その水の上を春の強い風が吹き抜けた。心地よい風がカフェを包みこみ、穏やかな時間を提供していた。

カモ『今日は何か話したいことがあったんじゃないですか?』

みのり『そ…そんなことないですよ!!』

カモ 『あります…よね?』

なにやら言いにくそうな表情をするみのりさんを見て、カモのドS心がうずいた。

みのり『は…白鳥さんのことで…。』

カモ 『何かあったんですか?(すっとぼけ)』

みのり『今はプライベートですよねっ!?仕事じゃないですよね?』

カモ 『自分はデートのつもりですが!?』

みのり『そ…そうですよねっ!?なので仕事とは関係ないことにしてください。』

カモ 『わかりました。(え?デートについてはスルー??)』

喉が渇いていたのか、緊張からなのか、水をぐいぐい飲むみのりさん。

みのり『この前、白鳥さんと二人でお茶しに行ったじゃないですか?何か話しました?』

カモ 『何かって?』

みのり『その…お仕事以外で…。』

カモ 『例えば?』

みのり 『例えば…うぅ…私のこと?…とか?』

カモ 『色々教えてもらいましたよ。(すっとぼけ』

みのり『えええええっ!?白鳥さん何を言ってましたか?どこまで聞いたんですかっ!?』

突然慌てるみのりさん。驚いた顔も可愛い。

みのり『あの…告白のこととか?』

うつむきながら、小さな声でカモに投げかける。

カモ『全部聞きました。白鳥さんが今の嫁と付き合ってたから、みのりさんを振ったこととか…。』

みのり『うぅ…。』

ちょっといきなりぶっ込み過ぎてしまったか、みのりさんが下を向いたまま固まった。

カモ (やばい、抱きしめたい)

みのり『実は…告白されてしまいまして…。この前私が福岡に行った時に…。』

カモ 『知っています、白鳥から聞きました。』

みのり『Σ(゚◇゚;) えっ!?』

カモ 『全部聞きました。』

みのり『なんで全部言うかなっ!!!!!!』

カモ 『それで…みのりさんの気持ちはどうなんですか?』

みのり『む…昔は好きでしたよ!!何でも出来て、それでいて みんなに優しくて…。』

みのりさんの口から出る言葉が、鈍器のようなものとなってカモの心を殴打した。

みのり『でもっ!!あの時、私が憧れていた先輩と付き合っていたし、気持ちも伝えてフラれたし、それでケジメをつけたんです。』

カモ 『ケジメ?』

みのり『白鳥さんに…。自分の初恋にケジメを着けたんです。

カモ 『そ…そうなんだ…。』

カモ、動悸再発。あかん、これは除細動器の準備が必要なやつ!!

みのり『なのに、急に私のことが好きって…。だから奥さんとも別れるって言われて…。』

隣の席では、外国人のカップルが美味しそうにクラブサンドを食べている。

『散歩の帰りに食べるクラブサンドは最高だな、HA!HA!HA!HA!』

と陽気そうなカップルの隣で、木星の重力なみに重い話が始まっていた。

カモ 『みのりさんは、何て言ったんですか?』

みのり『すごく怒ってしまいました。私があの時、どんな思いで諦めたと思っているのっ!?って…。』

カモ 『そうなんですか…。』

『お待たせしました〜』

ランチの食事が運ばれてきた。

大きめなプレートに、緑、黄色、赤といった色鮮やかな食材が盛り付けられ、温かいビーフシチューが添えられていた。ただ、今はそれどころではなかった。

みのり『あと…これは誰にも言わないで欲しいんですが…。』

カモ 『はい、それは約束します。』

みのり『白鳥さん、離婚するって言ったんです…。』

カモ 『それは…本人から聞きました。』

みのり『Σ(゚◇゚;) えっ!? そんなことまで話してるんですかっ!?』

カモ『はい(ゲス笑顔)』

みのり『なんでそんなに話しちゃってるんだよ〜…』

みのりさんは小さな声でつぶやいたが、声に漏れていた。

カモ 『それで?』

みのり『すごく…怒っちゃいまして…。叱っちゃいまして…。』

カモ 『白鳥さんを?』

みのり『はい…。今の奥さん、高校の時の先輩で…私が憧れて尊敬していた先輩なんです…。』

カモ 『そうなんですか…。』

みのり『だから、そんな先輩と離婚するとか、そんな犠牲を払って今更私の所に来ても、私は絶対に好きにならないし、むしろ軽蔑するって言っちゃいました…。』

カモ 『白鳥さん、あきらめないらしいですよ?』

みのり『この前…私がカモ先生に連絡した前日、白鳥さんと電話で話したんです。』

カモ 『えっ?そうなんですか?』

みのり『このままだと、離婚しちゃいそうだったので、はっきりと伝えました。離婚しようがしまいが、私は絶対に白鳥さんのことは好きになれないし、付き合ったりすることもないですって…。それに、そんな理由で離婚したら絶対に許さないし、御願いだから ちゃんと奥さんに寄り添ってあげてって…。』

カモ 『白鳥さん、何て?』

みのり『無言でした…。』

カモ (でしょーね!!)

みのり『でも、私のことは絶対に諦めて欲しいって伝えたら、「わかった」って言ってくれました。」

カモ 『それは…』

何も言えなかった。何か部外者のような感じがしてしまっていた。

間に入る権利も、アドバイスをする力も持ち合わせていなかった。

みのりさんが見せる困惑、そして切ない表情。

胸が痛い…。

カモ 『もし…白鳥さんが独身で、今の状況だったら…。』

みのり『しょ…正直…ちょっと色々考えてしまいましたけど…ね。』

泣きそうな瞳で自分を見つめる。

その大きな瞳には、うっすらと涙のような潤いがあった。

カモ『あの…僕はみのりさんのことが…

みのり『いいんですっ!!今は仕事が楽しいですし、しっかり稼がないといけませんからっ!!』

カモの言葉を遮るように、みのりさんが吹っ切れた様子で話しだす。

みのり『恋愛している場合じゃないですもんねっ!?』

カモ 『お・・・おう・・・。』

みのり『さっ!ご飯来たので食べましょー♪』

カラ元気なのか、自分に話したことによって何か吹っ切れたのか、

みのりさんの声にいつもの元気がもどった。

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