#-22. 前期試験への道

かもねぎ特攻

センター試験が終わり、2次試験の願書も提出した。
1日1日と、確実に迫る2次前期試験。前期の試験勉強と並行して、予備校の先生と面接の練習も行った。

講師『なんでうちの大学を受験しようと?』

カモ『偏差値的にここしかないかと!!』

講師『ド直球すぎワラタwwww』

カモ『ダメですかねっ!?』

講師『落ちるにきまってんだろっ!!まぁいい、次に行くぞ!!』

カモ『はいっ!!』

講師『医学部に入って何をしたいですか?』

カモ『入ってからのことは、何も考えていません!!』

講師『空っぽワラタwwwww』

カモ『空っぽの方が夢詰め込めるかなと思って…』

講師『ドラゴンボールZやめろwwww』

こんな感じで面接対策もバッチリやっていました(白目

赤本は、何周も何周もしてボロボロになっていた。

ほとんどの問題が×で消され、残っている問題が少なくなっていたので、残った問題には一問一問ポストイットを貼っていた。A大学と同じくらいの偏差値の赤本だけでなく、C大学くらいの少し上のレベルの大学の赤本も何周もして、残った問題を1問1問潰す作業をしていた。予備校の直前講習の問題も舐めるように解きまくった。

ただひたすら勉強だけすれば良かったし、『悩む暇があったら、一個でも英単語を覚えろ』と言われていたので、それを忠実に守っていた。講師の先生達もチューターも2次試験対策でバタバタしていたけど、いつも通り力を貸してくれた。

そうして、日めくりカレンダーがパラパラめくられるように、一日一日が過ぎてあっという間に2次試験の日が近づいた。2次試験は、センター試験と違って実際にその大学で受験することになる。東京の大学であれば、東京に行かなければいけないし、沖縄の大学だったら沖縄に行かなければいけません。なので田舎の大学を受験する場合は、一日前には現地入りすることになります。



そして前期試験の前日、出発の日。

A大学に向かう前に、予備校に寄った。
予備校では、自分と同様に県外に旅立とうとする浪人生の姿があった。それは去年は見ることのなかったいつもと違う光景だった。その間をぬって講師室に行くと、いつもの黒いラフなスーツとメガネをかけたゲーリーの姿があった。

ゲーリー『今から、出るんだな…』

カモ『はい、行ってきます』

ゲーリー『風邪、ひいてないか?』

カモ『大丈夫です、馬鹿は風邪ひかないって、先生よく言ってたじゃないですかwww』

ゲーリー『そうだなwww』

あいかわらずゲーリー先生はタバコの臭いがしていた。
このタバコの香り、2年間ですっかり慣れてしまった。最初は臭くて嫌だったけど、今では逆に落ち着く感じがした。

ゲーリー『今は風邪ひくかもしれないから、気をつけろよ』

カモ『了解ですっ!!』

ゲーリー『じゃあ、行って来い!!忘れんな、お前はすでに先頭に立ってる、あとは前だけを見て走れっ!!』

カモ『先生…僕は…合格出来るんでしょうか??』

思わずポロリと出た言葉だった。
関係ないけど、ポロリという言葉は大好きです

ゲーリー『どうした突然wwww』

カモ『いえ…この場に及んでまだ何か実感みたいなものがないんですよね…』

センター試験が終わってからも、ひたすら勉強をし続けた。
でもどうしても、医大に受かる、医学生になる、そして医者になるということが想像できなかった。そして、そんな自分が本当に受かることが出来るんだろうか、拭いきれない不安が心の隅にずっとこびり付いていた。勉強することで考えないようにしてきたその小さな不安が、前日になって膨らんできた。

ゲーリー『カモ、俺は何人も浪人生を医大に送ってきたけどな。みんな同じ不安を抱えていたぞ。医者になる未来が想像できないやつ、親に言われて医学部に行くだけで医学に全く興味がないやつ、そして成り上がるために医学部に人生をかけるやつ…』

カモ『・・・・。』

ゲーリー『でもな、実感があるやつが受かるんじゃない、医学に興味があるやつが受かるんじゃない。1点でも多く取ったやつが受かるんだよ!!そして、お前はその1点を、いや0.1点でも多くもぎ取るために勉強してきたんだろ?』

ゲーリー先生は言っていた。医学部の受験は0.1点で落ちる合否が分かれることがある。複数の受験生が同点で並んだ場合、1点よりも小さい点数で優劣が付くことがある。同じ正解の解答でも、点数が同じ場合は優劣が付くことがある、それを授業では0.1点と呼んでいた。記述試験は、その0.1点でさえも取りに行かなければいけないと。

ゲーリー『勝つためにやってきたんだろ?』

ゲーリーは力強い目でこっちを見た。

カモ 『勝てる気がしてきた!!(単純』

ゲーリーはにっこりと笑った。
ゲーリー先生はその気にさせるのが上手だった。(カモが単純すぎるのか

ゲーリー『行って来い!!』

カモ 『行ってきますっ!!』

最後まで残っていた小さな不安は払拭され、予備校のドアをあけた。ゲーリー先生にはいつも励まされた。嫌いなタバコの香りが好きになるくらい一緒の時間を過ごした。

予備校を出て、駅に向かった。腕時計を見る。あと20時間ちょっと後には、前期試験が始まっていると考えると緊張のような武者震いのような感覚に襲われた。

『絶対に受かる!!絶対に合格してやるっ!!』

そうやって自分に言い聞かせながら、A大学のある場所へと出発した。

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