#65. 事故の予感

電話するカモ

午前中に、みのりさんから電話があった。

LINEのメッセージではなく、電話。しかも午前中の電話は、そのほとんどが『悪い報告』を意味していた。

お仕事中だったので、電話は出ることが出来ず、お昼休みにかけ直してみた。

カモ 『何かあったんですか??』

何かあったに決まっているけど、なるべく冷静に聞いてみた。

みのり『ワンルームマンションのIHクッキングヒーターが壊れたっぽいですっ!!』

カモ 『えっ、そうなんですか!?』

驚いたように言ったけど、実際は『最悪なレベル』ではなかったのでちょっと安心した。

最悪度合いで言うと、

借主様の死亡退去のお知らせ家賃不払い>(超えられない壁)>物品の故障

っていう順番になるので、今回はコンディ グリーンだと思った。

カモ 『っていうかあのマンション、IHクッキングヒーターだったんですね…(遠い目』

みのり『っていうと思いましたwww』

ワンルームマンションの物件については、ほとんど室内を見ることなく購入していた。すでに入居者が住んでいたため、一度も室内に入っていない物件も多く、知らないことが多かった。この前は、道に迷ってしまい自分の購入した物件にたどり着けないこともあった。

今思うと、間違いなく 色々やばい(白目

でも、カモは全く病識がなかった。

トラブルなのに、みのりさんと話せて嬉しいっ!!

そう、みのりさんと話せるなら多少のトラブルはむしろラッキーだった!!

不動産投資のせいでだいぶ頭がおかしくなっているのは間違いなかった

みのり『それで、業者の人に見てもらったんですけど、どうやら本格的に壊れてしまっているようで、買い換えないといけないっぽいです』

カモ 『まぁ…設備も色々古かったですから…』

本格的に壊れているのは、IHクッキングヒーターだけじゃないですよっ!!って思った。

みのり『それで、価格が4万円くらいなんですけど…構いませんか??』

カモ    『高っ!!』

いやいやいやいやいやいや!!

前言撤回っ!!みのりさんと話せてもやっぱりトラブルはきっつい!!

IHクッキングヒーター高っ!!

なにそれっ!!

『 I H 』って『愛のあるエッチ』みたいな、いやらしいネーミングしてるくせに、そんなにするのっ!?

1万円弱かと思ったら、4万円って…

みのり『カモ先生、大丈夫ですかっ!?』

おっと…ついついちょっと動揺してしまった。

カモ    『でもそれ…換えないといけませんよね…』

みのり『そうですね、早く交換してあげた方が良いと思います!!』

カモ 『わかりました、じゃあすぐに交換をお願いします』

みのり『了解しました!!業者さんに伝えますねっ!!』

古いマンションだし、設備も少しずつ壊れると思っていたけど、突然その時は来るんだね…。そう思うと少し切なくなった。

いつか私もみのりさんに『交換』される日がくるのだろうか…(白目

カモ 『すぐに交換できるものなんでしょうかね??(動揺』

みのり『多分、取り寄せになるので、すぐにって言うのは難しいかもしれませんね』

今は自分のことより、入居者様のことを考えないといけない。

カモ 『その間は大丈夫なんですか?借主さん、困りませんかね??』

みのり『それが…完全に壊れてしまっていて調理が出来ないみたいなんです』

みのりさんは心配そうな声で言った。

みのり『困ったらいけないので、事務所にある調理器具お貸ししましょうか??』

さすがみのりさん、気が利いている。

カモ 『それは良いですねっ!!交換が終わるまで貸してあげてください』

IHクッキングヒーターの交換が終わるまで、簡易のクッキングヒーターとかカセットコンロでしのいでもらえば、完璧だと思った。ただ、この時カモは大切なことを失念していた。

そう、自分の物件の管理担当者が『みのりさん』だと言うことを…。

みのり『ですねっ!!早速事務所に行って出してきますねっ!!まだ炭あるかな…?

えっ…

今なんて言った??

す…炭???

カモ 『あの…みのりさん??調理器具って、ポータブルのIHクッキングヒーターとか、カセットコンロとかですよね…??』

みのり『いえっ!!七輪ですっ!!』

カモ 『えっ…七輪??』

みのり『はい、事務所にちょうど七輪と練炭があったので…』

いやいやいやいやいやいや!!

『ちょうど事務所にあったからって』なにそれっ!?

『そこに山があったから』って山に登る登山家かっ!?

そもそも、ワンルームマンションですよっ!?

ワンルームマンションに七輪と練炭って…

それ絶対あかんやつだろっwwwww

カモ 『ワンルームマンションに七輪と練炭とか…それどうみても、じさt…』

みのり『えっ…そ…そうですか…??』

頭の中に数式が浮かんできた。

ワンルームマンション + 七輪 + 練炭 = 事故物件

カモ 『自らの手で管理物件を事故物件に変える気ですか??

みのり『えっ…でもでも、七輪で焼くと遠赤外線効果で美味しく焼けるんですよっ??』

カモ 『それ、住人もこんがり焼かれるんじゃ…』

もう嫌な予感しかしなかった。

カモ 『しかもワンルームで七輪使ったら、調理する前に一酸化炭素中毒で死んじゃうしwwwwしかも火災報知器も鳴っちゃいますよ…』

みのり『うぅ…カセットコンロ…買ってきますね…』

カモ 『管理費から引かないでくださいよ…?』

みのり『えっ…』

カモ 『えっ…』

しばらくの沈黙。

耐えきれなくなったのか、みのりさんがあきらめたように口を開いた。

みのり『じゃ…じゃあ私の家にあるカセットコンロを提供しますよっ!!カモ先生の家に取りに行くわけにもいきませんし…』

カモ 『こんな時のために、自分の家の合い鍵を渡しておけば良かったですね』

みのり『えっ…』

急に声色が変わった。

みのり『なっ…な、なに突然言ってるんですか!!そういうのは仕事の電話の時に言わないでくださいよっ!!び…びっくりするじゃないですか(*゚Д゚)』

電話の先で、すごく動揺しているみのりさんの姿が想像できた。

みのり『でも…すごく嬉しいです…(*´ェ`*)』

やばい、めっちゃ可愛いっ!!

みのり『それで…カセットコンロですが…』

カモ 『ごちそうさまですっ!!買わせていただきますっ!!管理費から引いておいてくださいっ!!』

もう、こういうしかなかった。

みのりさんの大事なカセットコンロを提供するわけにはいかないっ!!(キリッ

みのり『えっ…いいんですか??私のを貸し出しますよ??』

そもそもみのりさん愛用のカセットコンロを使えるとか、うらやまけしからんっ!!

カモ 『良いんです!!ちょうどもう1個カセットコンロが欲しいなぁと思っていた所なのでっ!!』

みのり『なぜっwwwwwwカモ先生、相変わらず面白いですねwww』

幸せの定義は人それぞれだ…。

誰かから満たしてもらえること、誰かに必要とされること、誰かを幸せにすること…

カモ先生の幸せの定義は、『みのりさんに搾取されること』で間違いなかった(不動産投資家としてはすごく間違っているけども)

カモ 『か…借主さんのためですもんね…交換が終わるまで貸してあげてください…』

みのり『わかりました!!早速買ってきますねっ!!』

IHクッキングヒーターとなぜか カセットコンロ代により、約2ヶ月分のお家賃収入が消えました…orz

家賃が安いワンルームの物件では、何か壊れる度に家賃収入が吹っ飛びます。

つらい…(血涙 

でも幸せ\(^o^)/

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